<"まち"の財政を見る8つの指標

1・ 経常収支比率――財政のやりくり状況
   この比率が高いほど財政の資金繰りが苦しい。
   70〜80%が適正値。100%を超えると危険な状態。
2・ 起債制限比率――借金の度合い
    国が肩代わりしない借金の元本償還や利払いの財政圧迫度。
    15%以上は警戒水域、20%以上で一部起債が制限され、30%以上では 起債不可。
3・ 財政力指数――税収が足りない
   大きいほど税収が豊か。1以下の自治体は、税収が財政需要に比べて不足しており
   普通交付税が分配される。
4・ 公債費負担比率――借金の財政圧迫度
   借金の元本償還額、利払い額自体の財政圧迫度。繰上償還分も含む。
5・ 交付税依存度―――国への財政依存度
     国からの交付税への財政依存度。大きいほど自主財源が少ない。
6・ 1人当たりの純債務額――住民1人当たりの借金
    自治体のネットの借金の額を人口で割ったもの。数値が大きいことは、自治体の
    借金をすべて住民が肩代わりした場合の負担額が大きいことを表す。
7・ 純債務返済年数――借金を返すのに何年かかるか
    ネットの借入金の返済に、自治体の通常の収入を全額当てたとして何年かかるか
    を示したもの。この比率が高いと、今後2や4の比率が高くなると予想される。
8・ 後年度負担比率――将来へのツケ
    当該年度以降に支払わなければならない債務額を通常の収入でわったもの。
    将来へのツケの財政に対する比率。
<市町村財政の中身>

 地方財政の財源には一般財源と特定財源がある。
 一般財源は、使途に条件のついていない自由に使える税収である。地方税と地方譲与税と地方交付税、県からの利子割交付金、地方消費税交付金、ゴルフ場利用税交付金、特別地方消費税交付金、自動車取得税交付金および軽油取引税交付金の合計だ。
 地方税は市町村税など住民税、法人事業税、そして固定資産税などである。地方譲与税は、道路税や自動車従量税のように国が徴収するが、地方自治体の財源になるものだ。
 地方交付税には、自治体の税収不足を補うために国から所得税、法人税、酒税、消費税、たばこ税の一定率部分を自治体に分配する普通交付税と、災害発生など特定状況の下で財政支援として分配される特別交付税の二つがある。
 特定財源は、利用目的が定められているカネ。国からの委任事務の経費を補うためや、特定事業の財政を支援するためなどに支出される国庫支出金地方債などである。
 基準財政収入額は、一部の目的税(入湯税など)と法定外普通税を除いた地方税の収入見込額の75%に地方譲与税の収入見込額を加えたもの。一方、基準財政需要額は、必要最低限の水準である一般的な行政サービスを提供するために必要と思われる経費を、人口、面積、道路総延長などに基づいた一定の算式で計算したもの。したがって、自治体が独自に設定した行政サービスは含まれない。基準財政需要額が基準財政収入額を上回る場合、その差額分を国が普通交付税として地方自治体に分配する。
 標準税収入額
は、基準財政収入額の算定対象となった地方税収入見込額の全額に地方譲与税収入見込額を加えたもの。それに普通交付税を加えたものが標準財政規模である。
 歳入決算額から歳出決算額を引いたものが形式収支。ここから、当該年度に支出、執行されておらず、翌年度に繰り越すべき財源を控除したものが実質収支だ。
 経常収支比率の算式に出てくる経常一般財源は、一般財源から特別交付税と地方税に含まれる目的税の大半を引いたもの。毎年必ず税収として入ってくるとは限らないものである。
 同じく、経常収支比率の計算に出てくる経常経費充当一般財源とは、人件費や地方債の元利償還金である公債費(繰上償還にあてられた費用は除く)など毎年支出することが決まっている経費である。基準財政需要額と違い、自治体にとって毎年度支出する経費はすべて含まれる。
起債制限比率の計算式に出てくる転貸債は、当該自治体が発行するが、その調達資金を公社、公営企業(公営バス等)などにそのまま貸し付けるものだ。
 国から補助を得て事業を実施する場合に、補助金では不足する財源を地方債でまかなう場合、その地方債の元利償還金のうち交付税で国が肩代わりしてくれる部分がある。国から補助を受けない事業であっても、交付税で肩代わりすることもある。このように肩代わりしてもらう公債費の部分が、事業費補正により基準財政需要額に参入されて公債費にあたる。災害復旧費をまかなうために地方債を発行した場合も、同様のケースがある。これが災害復旧費として基準財政需要額に参入された公債費だ。これは交付税の算定対象になっているということだ。
 地方債現在高とは決算年度末における地方債残高のこと。積立金とは、貯金と考えればよい。積立金現在高も積立金残高のことである。債務負担行為額は、一言で言えば年度末時点における将来へのツケである。支払う義務はあるが実際の支払が後年度になる債務のことだ。